あの胸にもういちど (1968)

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの原作を、ロナルド・ダンカンが脚本化し、ジャック・カーディフが監督・撮影したもの。音楽はレス・リードが担当している。

監督:ジャック・カーディフ
出演:アラン・ドロン、マリアンヌ・フェイスフル、ロジャー・マットン、マリウス・ゴーリング

あの胸にもういちど (1968)のストーリー

朝、小鳥のさえずりは聞えているが、まだ完全には明けきっていない。軽い寝息をたてている夫レイモンの傍を離れると、レベッカ(M・フェイスフル)は黒皮のレーサー服に裸身をすべりこませ、部屋を出た。裏庭の車庫から、ディオニソスと名づけた一二〇〇CCのオートバイを引きだすと、ハイデルベルクへ向けて出発した。ハイデルベルクには、恋人ダニエル(A・ドロン)がいる。四ヵ月前、レベッカはレイモンとの婚約旅行のスキーの宿でダニエルをみた。ダニエルは、レベッカの父が経営する本屋に、しばしばあらわれる大学の教師だった。その夜、レイモンはレベッカの部屋に入ってきたが、寝入ったふりをしていた彼女に、軽い口づけをしただけで立去って行った。そしてしばらくして、バルコニーから一人の男が入ってきた。レベッカはその男にだかれた。彼女は、その男がダニエルであることを知っていた。旅行から帰ってから、ダニエルは再びオートバイを駆って来た。父親の許可を得、レベッカを連れだすと、田舎のホテルの一室で彼女を抱いた。その帰り彼女はオートバイの乗り方をダニエルに教わった。その時から、彼女はオートバイに魅せられた。数日後、レベッカはレイモンと結婚した。その時、ダニエルはディオニソス号を彼女におくった。彼女は、そのディオニソスを駆って、今、ダニエルに会いに行こうとしている。彼女は想像する。数分後にダニエルに抱かれている自分を。がその瞬間、大型のトラックがオートバイもろとも彼女をはねとばした。一瞬、レベッカの身体は、空中にとんだ。

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